日射レベルにより透過率を自動調整する超高機能ガラス“SAGE(セージ)”が、アジアで初めて使用された事例です。
2014年2 月に京都(左京区北白川別当町)で竣工したフランス教育省の文明研究センター「フランス国立極東学院(EFEO)」の省エネビルは、西側道路面以外は住宅に隣接し、建物の中には豊富な書籍を保管する施設です。環境と快適性を両立させる最先端の建築材料(サンゴバンのエレクトロクロミックガラス建築「SAGE(セージ)」、高性能断熱材グラスウール、クールチューブ、太陽光発電パネル等)と、日本の伝統的な建築技術によって持続可能な建築を実現しました。
また、この建築の持続可能性が評価され、フランス極東学院(EFEO)のブノワ・ジャケ京都支部長と、建築設計事務所「みかんぐみ」のマニュエル・タルディッツ氏が、2014年11月13日にインドネシアのジャカルタで「ホルシム賞奨励賞」を受賞しました。(ホルシム賞に関する詳細はホルシム財団のホームページをご覧ください)
導入された製品
SAGEはサンゴバン・グループの製造する建築用ガラスで、特殊コーティングが施されたペアガラスと室内外に設置されたセンサーによって、ガラスの可視光透過率を2%~62%に自動で調整できる超高機能ガラスです。
エレクトロクロミックという技術に室内外のセンサーを用いることにより、自動的に日射しの強い環境下では透過率を下げて日射しを遮り、そうでないときは自然光を存分に取り入れようと60%を超える透過率が、ガラスファサードやトップライトで可能です。夏は暑い日射しを遮り、冬は西日の眩しさを遮れる超高機能ガラスとして、建物の省エネ基準が高まる昨今、市場ニーズにマッチした製品ともいえます。
ユーザーボイス
"京都支部は住宅密集地に立地し、日射が道路側の西側からしか取れないという制約があったため、快適性や省エネ性を確保するためには、遮光・遮熱性の高いガラスが不可欠でした。また、研究機関の象徴とも言える書籍が、ビルの外からも見えるデザインを希望していたので、”書籍が日に焼けないガラス” ということが採用の決め手になりました。"
―京都支部ビルへのSAGE導入を決定したフランス国立極東学院 京都支部長のブノワ・ジャケ(Benoit Jacquet)氏
"この場所の強い西日を遮るためには、LOW-Eガラスとルーバー、ブラインドなどの組み合わせで実現することも可能ですが、設備が多いと使用者に操作負担がかかる上、デザイン面でも美観が損なわれてしまいます。その点、SAGEはガラスのみの使用で、必要に応じて極めて強力に日射遮蔽できるため、ユーザビリティーおよびデザイン性の向上という点で最適な解決策になりました。"
―設計を手がけた株式会社みかんぐみのマニュアル・タルディッツ(Manuel Tardits)氏